フィカス・ウンベラータの育て方コツ・生育環境・日常管理

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ウンベラータのお手入れカレンダー

目次

フィカス・ウンベラータを元気に育てるコツ

ウンベラータは常緑なので、美しいハートの葉を一年中楽しめます。そのまま元気でいて欲しいけれど、葉が落ちたり元気が無いことがありませんか。原因は以下がほとんどです。

  • 乾燥による害虫(ハダニ)
  • 湿気による害虫(カイガラムシ)
  • 急に強い日光に当ててしまう
  • 寒さに当ててしまう
  • 冬場の水やり回数が多い
  • 根詰まり・根腐れ

これらは、ウンベラータの特徴を知ることで育て方をつかむことが出来ます。

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ウンベラータはゴムの木と同じ「フィカス属」で、熱帯アフリカの低地が原産地。そして冬場(12月から2月頃)は休眠期になり活動が緩やかになります。

寒さに弱いこと、冬場はお休みすること、湿度と日当たりがある程度必要であることを考えながら育てると比較的育てやすくなります。

フィカス・ウンベラータの生育環境

置き場所

  • 急激な陽射しの変化を避ける
  • 風通し良く
  • 湿度に注意
  • 室内では柔らかい陽に当てる

ウンベラータは本来、日光が好きで直射日光で育つ植物です。ところが、日本の気候は四季があり温度の変化が激しいですね。急激な陽射しの変化は、葉焼けをおこす原因のひとつ。そのため、室内で育てると安定しやすくなります。

室内で育てる場合、柔かい陽が当たる風通しの良い場所に置きます。風通しが悪いとハダニが付きやすくなります。葉がベタベタしていたら害虫の可能性がありますから、見つけたら殺虫剤を散布して早めに対処します。(害虫予防の葉水はとても大事。詳細は後述しています。)

また、ウンベラータは湿度のある場所が好きですが、梅雨時期や湿気が高い場所はカイガラムシが付きやすくなります。見つけたら幼虫のうちに駆除します。

季節の日当たり・温度

  • 夏日は遮光する
  • 冬の室内では10℃以上を保つ
  • 秋以降、15℃になったら室内へ取り込む

高温に強く、低温に弱い植物です。なるべく日光に当てることで株が充実します。ただし、室内メインで育てている場合は、先ほど触れたように急激な温度の変化と強い陽射しには気をつけます。

穏やかな気候の時には、屋外に出して徐々に慣らしていくのも良い方法です。自然の柔らかい風に当てた方が葉艶が良くなります。ただし、涼しくなってきたら注意。5℃以下の環境で枯れてしまいます。秋冬の温度には気をつけましょう。

【春~秋】

雨除けと遮光をすれば、春から秋は屋外でも育てられます。高温に強い植物ですが40℃くらいの夏日の場合は日陰での管理。強い陽射しは葉焼けの原因になります。

【秋~冬】

屋外で育てている場合、外気温が15℃くらいに下がってきたら室内の日当たりの良い場所へ移動させます。

秋晴れの陽射しは強いので、カーテン越しの柔らかい陽射しで育てます。また、冬の室内は暖かくても窓辺は冷え込んで5℃以下になることがあるので窓から離し、暖房器具の風を当てないように注意しましょう。

水やり

高温多湿を好みますが、メリハリのある水やりをします。乾いたらたっぷりとあげ、土の中の空気を入れ替えるようにします。常に土が湿っていると根腐れの原因になります。

【夏場の水やり】

夏場は土の表面が乾いたら、夕方以降にたっぷり与えます。午前中は土が暖かくなり、根が傷みます。2~3回に1度、活力剤を1000倍に薄めて(希釈)して与えると夏バテ予防できます。

【冬場の水やり】

冬場は休眠期(12月~2月ころ)に入り成長が穏やかになってきます。夏場と同じ水やりをすると株に負担がかかりますから、水やりの回数を減らします。

外気温度が15℃くらいに下がってきたら、土の表面が乾いて2~3日待後に水やりをすると良いでしょう。この水やり間隔をした時、葉がしおれていたら感覚を短くして調整します。

季節を通して言えることですが、乾いた土の状態を作ることで、根が水分を求めて伸びていきます。受け皿のお水は溜めないように常にチェックしましょう。

用土

ウンベラータは水はけの悪い土を使うと根腐れを起こします。オリジナルで土を作る場合は、赤玉土の小粒や鹿沼土をブレンドして、出来るだけ水はけの良い土にします。

植え込みの表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質の用土で覆うことでコバエの発生を防ぐことが出来ます。

フィカス・ウンベラータの日常管理

葉の手入れ

ウンベラータの最大の魅力はハートの葉。優しくお手入れして美しさを維持しましょう。

【埃を拭く】
ウンベラータの葉は大きく、ホコリが積もりやすいので2~3日に1度は葉の手入れをします。葉水をする前に、水で湿らせた柔らかい布を絞って表面を優しく拭きます。

このひと手間で葉が呼吸出来るようになり艶も良くなります。

埃を取る目的で、霧吹きでしたたるほどにシャワーをかける習慣はおすすめしません。葉に水滴が残って水分バランスが崩れたり、光を集めて葉焼けの原因になります。また、土の湿り気も変わって根腐れの原因にもなります。

【葉水】
ウンベラータは葉が乾燥しやすいので、こまめに葉水をします。毎日1回は霧吹きしましょう。裏側も忘れずにあげます。なるべく細かいミストが出るタイプが良いでしょう。

葉水の目的はウンベラータが本来育つ環境に近くしてあげること。毎回シャワーのようにかける必要はありません。

葉水は潤いをあげること以外に病害虫の予防も兼ねています。乾燥すると必ずと言っていいほどハダニが付きます。そのまま放っておくと枯らしてしまう威力があります。ハダニは湿り気に弱いので必ず葉水で予防します。

この時、葉の周りの空気を湿らせてあげる気持ちで、葉から少し離して霧吹きもします。空気をリフレッシュさせてウンベラータの生育環境を整えます。

肥料

基本的に肥料は無くても育ちますが、与えた方が成長が良くなります。

冬場の休眠期(12月~2月ころ)に肥料を与えると肥料焼けをするので、春~秋の成長期(3月~11月ころ)に与えます。

液肥を10日に1回、又は緩効性の置き肥を与えます。有機肥料(牛糞や魚肥などの動物物質の肥料)ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。

病害虫

病害虫の厄介なところは、排泄物から菌を呼び「すす病」や「こうやく病」をもたらすことです。その結果、光合成が出来なくなりやがて枯れてしまいます。

日頃から予防し、見つけ次第早めに駆除します。

【ハダニ】

ハダニは乾燥した葉につきやすい害虫です。毎日の葉水で予防できますが、葉に無数の白い斑点が現れたらハダニが潜んでいる可能性があります。

ハダニは主に葉の裏側や茎に潜んで吸汁します。黄緑や赤い体色をした0.5ミリほどの小さな害虫で、肉眼では分かりにくい姿をしています。そのままにしておくと最悪の場合枯れてしまいますから、殺虫剤を散布して退治しましょう。

【カイガラムシ】

名前のとおり貝殻のような姿をしています。すぐに分かるので見つけやすい害虫です。

カイガラムシの排泄物は、すす病やこうやく病などの病気を誘って被害をもたらします。発見したら幼虫のうちに歯ブラシか殺虫剤で駆除を。成虫になってしまうと、殻をかぶって退治が難しくなります。冬になる前に必ず行います。

一度ついた場所には翌年も発生しやすいので、暖かくなってきたら早めにチェックしましょう。繁殖力旺盛で薬剤の抵抗がつきやすいのが厄介。数種類を交互に使うのも効果的です。

ウンベラータは美しい葉や樹形と色々な要素を楽しめる魅力的な観葉植物です。お部屋に癒しを一鉢置いてみませんか。