目次
伸びた枝・剪定した枝を使って増やす
・どの枝を、いつ、どう使う?
・水挿しの方法
・取り木の方法
・挿し木(茎挿し)の方法
・挿し木(茎挿し)の成功率をあげるメネデール&ルートン
ウンベラータは剪定しないと上に上に伸びていきます。好きな樹形にするためにも剪定は必須。そこで、伸びた枝や剪定した枝を使って増やしてみませんか。
最適な時期は梅雨時
ウンベラータの成長期は春から秋です。3月頃から新芽が出て、葉が充実してくる5月くらいからが剪定に良い時期。ちょうどそのころは、挿し木や取り木が出来る時期です。(寒い地域は6~7月ころ)。
この時期を逃してしまった場合は、猛暑日を過ぎた9月頃でも大丈夫。1本の枝から大きく成長する姿は嬉しいものがありますよ。
成長の勢いがある時期に!元気な枝を使う
Photo by BloomingScape
水挿し・取り木・挿し木(茎挿し)で使う枝は、どこが良いのか迷いませんか。
どの植物にも共通して言えることですが、元気で健康な枝を使うことです。さりげないポイントですがかなり重要です。
例えばバラの場合、春は前の年に出た枝に。夏と秋は今年充実した枝を使います。古い枝や病気になった枝を使った場合、根を出すエネルギーが無かったり成長しなかったりするからです。
挿し方や管理に気を取られがちですが、そればかりでも無いんですよね。正しくやっているのになかなか成功しない!という場合は原因はそこにあるかもしれません。発根促進剤(ルートン)を使っても結果は同じです。(ルートンについては後述あり)
どんどん芽吹いて勢いのある時期に、元気な枝を選びましょう。
簡単!コップに挿して増やす「水挿し」
水挿しの方法
- 20センチくらいの元気な枝を選ぶ
- 先端の葉だけ残し、下の方の葉を落とす
- 枝から出た白い液を洗い流す
- 水の入ったコップを用意
- 数週間コップの中で根が出るのを待つ(水は毎日交換)
- 梅雨頃、遅くても9月くらいまでに植え付ける
- 直射日光があたらない明るい室内に1ヵ月程置く。水やりは乾いたらしっかり
挿し木や取り木は根が出る様子が見えないので、状態が分かりにくいですね。そして、挿し木の場合は無菌の土、取り木の場合は水苔を用意するので、慣れない場合は購入から戸惑うかもしれません。
でも、水挿しなら簡単。水が入ったコップに枝を入れて根が出るのを待つ方法です。根の様子を確認できて安心。水を毎日交換して根が出るまで待ちましょう。
安定した育ちを期待できる「取り木」
Photo by BloomingScape
取り木の方法
- 根を出させたい部分の枝を傷つける。又は芯を残して3~4センチほど皮を剥ぐ
- 水に十分湿らせた水苔を軽く絞り、傷つけた部分に覆う
- 2の部分をビニール袋で覆い、上下を縛る
- 1~2ヵ月後、根が出たことを確認したら切り離す
- 梅雨頃、遅くても9月くらいまでに植え付ける
- 直射日光があたらない明るい室内に1ヵ月程置く。水やりは乾いたらしっかり
- 3か月程度でしっかりした株になる
剪定をする前に行います。伸びた枝の一部を使う方法です。根を出させたい枝を、傷つけたり剥いだりすることにより、栄養分を集中させて根を出させるというもの。水苔は乾かさないようにします。
取り木の良いところは、栄養を確保しながら根を出せること。挿し木の場合は枝を切り取ってしまうので、エネルギーのモトはありません。自力で根を出すしかありません。
傷をつけたモトの鉢もそのまま元気に育てることが出来ます。
傷つけた箇所から10本くらい根が出ていたら、根の下で切り離して植え付け。根の状態を確認してから植え付けられるのも良い点ですね。
▼10本くらい根が出ていたら切り離してOK
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沢山増やせる「挿し木」
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挿し木の方法
- 10センチくらいの元気な枝を選ぶ
- 先端の葉だけ残し、下の方の葉を落とす
- 枝から出た白い液を洗い流す
- 枝は一晩水分を吸わせておく
- (メネデールやルートンで以下のように補助)
- 挿し木用の土やパーライトなど清潔な土を用意
- トレーに土を広げ十分に水分を吸わせておく
- 用意しておいた枝を挿して数週間待つ
- 梅雨頃、遅くても9月くらいまでに植え付ける
- 直射日光があたらない明るい室内に1ヵ月程置く。水やりは表面の土が乾いたらしっかり
上画像はウンベラータの挿し木の様子です。水挿し、取り木に無いメリットとしては、このように一度に沢山増やせることですね。
挿したあとの水やり加減
挿し木の成功率をあげる
- メネデール:水分や養分を吸収する細胞膜を作ってくれる
- ルートン:根を出すお手伝い
挿し木は、根が出るまでの水やり加減が難しいです。
まだ水を吸い上げるチカラ無いので、完全に乾いてしまうと枯れてしまいますし、湿ったままでも根を出そうとしません。土の表面が乾いたらたっぷり水やり。鉢底に溜まった水は必ず捨てます。
メネデールとルートンで挿し木(茎挿し)の成功率を上げる
挿し木の成功率をあげるには、まず剪定した枝を十分に水分を吸わせることです。そして、根を出す力を助けてあげること。以下の2種類を使うとかなり成功率があがりますよ。
メネデールで水分を吸わせてから挿す
剪定した枝は水分を吸い上げる根が無いので、あらかじめ水分を貯えてから挿すことで結果がかなり違ってきます。メネデールが無い場合は水に一晩吸わせるだけでも違いますよ。
メネデールは植物の成長を助ける「活力剤」なので、挿し木以外にも使えて便利です。夏場にバテぎみな草花、観葉にも使えます。肥料と違うので、使う季節を選ばない点も気が楽です。
▼無色透明無臭。1リットルの水にキャップ1杯の希釈が標準。
◆メネデールとは
メネデールは化学物質を使わない園芸活力素。肥料や農薬ではありません。良く吸収され、根の成長部分の生育を助けると同時に、光合成を活発にする作用があります。 また、植物の切り口や傷ついた部分を膜のようなもので保護。水分や養分を吸収する細胞膜の代わりをします。
メネデール サイズは色々あります。
挿し芽以外にも、水やりで使うと葉艶も良く元気に育ちます。
発根促進剤ルートンは根を出すお手伝い
枝の切口に、ほんの少しまぶして挿すだけ。根を出すお手伝いをしてくれるものです。これは効果がある・なしの意見が分かれるところ。おまじない的にお使いの方も多いですね。私個人の経験上としては無いと不安なレベルです。
ルートンをつけても成功しないのは、ダマになるほど付けすぎているか、枝そのものにチカラが無かった、苗床の環境が悪かったなど色々な事が考えられます。枯れてしまった枝を抜いてみると、ちゃんと根が出ていた!という場合もあります。
先ほどご紹介したメネデールでとダブル使用がおすすめ。こちらも無臭です。
ルートンとは
挿木・挿苗などの発根を促進させる植物ホルモン剤。発根が促進されて根付く効果を発揮します。その結果、成長を早めて水分や養分を吸収する細胞膜の代わりをします。
発根促進剤ルートン