購入前にハダニとカイガラムシをチェック!フィカス・ウンベラータの選び方

お手入れカレンダー

ウンベラータのお手入れカレンダー

目次

購入前に!フィカス・ウンベラータの枝葉をチェック

【今回のテーマ】
・購入する時に見ておきたい枝葉の状態
・ハダニ・カイガラムシの特徴と対処方法
・購入した鉢に害虫がついていたら?
・害虫がいないのに葉の様子が違うとき

ウンベラータは葉が美しい観葉植物。サイズも姿も様々で、何を基準に選べば良いか迷ってしまいますね。いいな!と思う鉢に出会ったら、葉や茎をチェックしましょう。

今回は2つの害虫「ハダニ」と「カイガラムシ」に焦点を絞ってお話をしていきます。

 葉や茎のここをチェック!

  • 葉は艶が良くて大きいか
  • 葉に白っぽいカスリ斑点はないか
  • 茎や葉の裏、茎の隙間は綺麗か

害虫がいないか?葉や茎の状態は?


photo by BloomingScape

ウンベラータは置き場所や環境が悪いと、以下の害虫が付きやすくなります。

 春から夏に発生しやすい害虫

  • 風通しが悪い・乾燥している場所:ハダニ
  • 湿気が多い場所:アブラムシ・カイガラムシ・コナカイガラムシ

この中でも特に「ハダニ」は油断するとすぐについてしまう馴染みの害虫。放置しておくと「すす病」によって株全体を枯らしてしまったり、他の鉢に移ったりします。購入前に必ず葉や茎をチェックしましょう。

葉の色艶が良いってどんな様子?

害虫の前に・・・まず「色艶が良い葉」とはどんな状態でしょうか。ウンベラータの葉は美しい緑色のイメージがありますが、すべてが同じ緑色ではありません。


photo by BloomingScape

ちょっと分かりにくいですが・・・例えば上の画像のように、針で穴を開けたような小さな点々は病気ではありません。そのほか、成長過程で色ムラがあったり、葉が入れ替わるときには黄色っぽくもなります。

▼3月頃の新芽

▼茶色っぽい葉が出ることもある


photo by BloomingScape

▼まだらに一部だけ透き通っている葉も病気ではない


photo by BloomingScape

このように、ウンベラータの葉の表情は様々。いったいどんな葉が害虫にやられちゃってるの?と迷いますね。

▶他の葉の状態はBloomingScape|葉っぱの表情へどうぞ

以下に害虫が付いた様子をお話します。

葉の裏に潜む「ハダニ」

ハダニのチェックポイントは「カスリのような白斑点」まはた「クモの巣のような白い糸」。糸の量が多いほどハダニが繁殖していますから、それだけ状態が悪いということ。ハダニは糸を伝って他の箇所へ移動します。

ハダニが付くと、以下のようにカサカサしたようなカスリのような白斑点が表面に出てきます。これはかなり進んだ状態です。

▼ハダニが付いた葉の様子(別の植物)

ここまでいかずとも、葉がしんなりしていたら潜んでいる可能性があります。

そんな時は葉の裏側を見てみましょう。ハダニは葉の裏が好き。0.5~1ミリほどの茶色っぽい身体をしています。肉眼では分かりにくいほど小さいです。肉眼で見えるダニは「タカラダニ」かもしれません。

購入後に見つけたら?

購入後にハダニがついた葉を発見した場合は、葉の上からパンパン!と叩いたりセロハンテープで取ったりして、まずは薬剤を使わない方法を試します。

大量の場合は、専用の薬剤を散布。葉だけでは茎へ移動しますから、しっかりと茎にも散布しましょう。葉が復活しない場合は取ってしまうか切り取りを。

ハダニは湿気が大嫌い。濡れた布で拭いたり、毎日の葉水をすることで予防出来ます

茎や狭いミゾ部分に潜む「カイガラムシ」

カイガラムシも確認しましょう。「カイガラムシ」は葉にもつきますが、茎や狭いミゾが大好き。丸くて黒っぽい虫はカイガラムシだと思って良いでしょう。

ハダニよりも大きく、0.5ミリくらいから徐々に大きくなるので肉眼でも分かりやすい害虫です。小さい頃はアブラムシと間違えやすい姿をしています。違いは動くかどうか。動いているようならばアブラムシです。

▼カイガラムシがついた枝(別の植物)

カイガラムシは、一度付いた場所に翌年も付きやすくなります。そして、大きくなってしまうと薬剤が効かなくなってしまいます。幼虫のうちに駆除することが大事です。休眠期に入る冬前に行います。

購入後に見つけたら?

何だか周囲がベトベトするな・・・と思ったら、茎や葉をよくチェックしてみてください。見つけた場合は、ただちにヘラやブラシでそぎ落とし。冬になる前に駆除することが大事です。根気よく何度か繰り返しましょう。

大量に見つけた場合は専用の薬剤散布。薬剤は同じものを使っていると効果が薄いので、何種類かを交互に使うと良いですよ。

なお、そぎ落としたのに数時間したらまた発生していた!という場合はアブラムシの可能性があります。カイガラムシはそんなに早く移動しません。

これらの害虫の排泄物は菌を呼び「すす病」をもたらします。すす病というのは、光合成を出来なくさせて株を弱らせてしまいます。

害虫がいないのに葉がしおれていく場合は?

株や弱る原因は、害虫の他に「病気」もあります。(他にも、根詰まり・根腐れ・水分過多・日光不足などいろいろありますが・・・)

病気の場合は「うどんこ病」と「斑点性のカビ」があります。白い粉のようなものは「うどん粉病」の症状。斑点状の場合は、見慣れないとハダニの初期症状や葉焼けと混同してしまうかもしれません。

病気になった葉は回復しないので、切り取って様子を見ます。切り取っても他の葉に同じ症状が出るようならば、病気の可能性があるので薬剤を使います。

穏やかなお天気の日には、ウンベラータを日当たりと風通しのよい場所に移動させてあげましょう。ただし、急激な日光浴は葉焼けを起こしますから、徐々に環境にならしましょう。日頃外に出していない植物の場合は特に注意。夏日には遮光をします。

「適度な日光浴・風通し良く・毎日の葉水」を心がけるだけでも、病害虫からかなり守ってあげることが出来ます。

害虫や病気で弱った鉢をあえて選ばないよう、購入する前に、肉眼で茎や狭い場所、葉の裏側をチェック
購入後に害虫を発見したら、まずは薬剤を使わずに駆除。ハダニは毎日の葉水で予防できます。カイガラムシは幼虫のうちに!冬になる前に駆除しましょう。